郡山5・21 若松5・22 福島5・8
 花見をしようなどとは思わなんだが、結果として県下をひとまたぎ、みわたしてきた。
 8日、福島・信夫山公園でシーズン初の日曜日は生憎の雨。雨宿りしておでん屋の軒へ。すると、数十名の若い人たちの宴が今や佳境。テレビドラマ主題歌、その他のレパートリーは、いかにもな祖の世代にふさわしく、季節も城主も関係がない。
 午後、がらんと寒い駅前の映画館で「宇宙空母ギャラクテイカ」「カリブの嵐」を見た。センサラウンドという大迫力の音響も、客のない空間では、うすら淋しく、福島にしてこれかと思う。「アメリカン・グラフィテイ」「アニマル・ハウス」の次回予告を横目にして、低成長時代の懐古趣味の御センチさをちょっぴり感じた。たかが映画を見るのに、パーキングで映画料金と同額近い金額を支払わねばならぬ不合理めいた憤りの方が、実は現実的であったが。
 21日、郡山へ。ホテル・サンルートにて一泊。屋上階のラウンジで担当デイれくたー氏と打ち合わせ。ここでは覆面強盗と明日の地方選のことでごったがえし。
 開成山公園は、はやすでに葉桜であったが、露店にぎにぎしく好ましき休日という印象。22日は久しぶりに会津へ足を伸ばした。定宿のおばさんを訪ね、城に遊ぶ。帰途、飯盛山へより、滝沢峠にのぼった。この峠こそは、歴史の昨日と明日を区切った場所だ。近世と近代との境界と言ってよい。
 さあ、春も逝くなあ。
 春が今日、終わったなあ、とつくづく思った。
 1979・5月「芽月共和国」

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