土湯「福うさぎ」の印象

亡き義母は幼い孫まで連れて地元温泉に行くのを楽しみにしていた。
土湯はわが家から20分の近さなのでしばしば利用したものだ。
温泉は子育ての忙しさの中の至福のやすらぎの思い出とともにある。
末の子が大学に入学し、二人の娘も結婚して夫婦だけが残されてから、外湯代わりに時々使いもした。
その義母の亡くなった後の法事で親族が集まったり、私自身の還暦の祝いにも、従兄姉らと集まっては温泉ホテルは勝手の良い食事処として宿としてありがたい施設だ。
新緑の、また避暑の、紅葉の、観雪のそれぞれの季節の自然の眺望と、清らかな渓流のせせらぎも、山海の美味など、人生の句読点として幸福な絵となって想い出される映像も今に鮮やかである。
何より期待にたがわぬ接待のプロ意識のある宿に出会った喜びを、新しく加えて深い満足と安堵感をおぼえた今日の印象でした。

土湯「福うさぎ」、アンケートにしるす

土湯温泉が311の直後に、営業不振で廃業した旅館があると聞いていたし、双葉の人が買って営業していると聞いて「福うさぎ」に家族でこの年末に泊まった。

フロントで尋ねたら、相馬市の松川浦の「さかえ荘」の系列だという。仲居の佐々木さんという若い女性がすぐに答えてくれたのを聞いて、同行した娘婿のA君が「教育がゆきとどいてる」と感心していた。経営者がだれかも知らない従業員がいて当たり前の社会だし時代である。

福島に生まれ暮らしていて、だれが311以後の地元の経済に無関心でいられようか。ましてわが故郷相馬の経営者が乗り出して、山間の温泉旅館を買い取って活力を注いでくれていることに感謝もし支持もしたい。

まして、きんきの煮付け、新鮮な魚介の刺身の旨さ、蟹までついて、山菜御飯の「おこげ」まで、酢のもの、てんぷら、一つひとうが配慮されたやさしい味付けで、おいしく頂いた。おんせん卵までついて、美味にして充分な食事。昨年12月に開業してちょうど一周年だという。またらしくて清潔。すっかり気に入った。

 

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