紀元一万年より紀元一年

紀元前1万年 ローランド・エメリッヒというドイツ人監督が、原始時代の男の物語を映画にして当たったとたんに、紀元前1億年というだの、紀元1年というのも出た。

エメリッヒはドイツで気象兵器開発を告発する反米的な「オペレーション・ノア」というSF映画で注目されて、ハリウッドに招待されたとたんに、今度は「インデペンデンス・デー」で、実にアメリカ迎合的な作品を撮り、「ゴジラ」アメリカ版を作り、その手際のよさを実証した。

「紀元1万年」では、原始的な集落生活をしていた主人公が、はるか山の彼方からやって来た馬に乗った文明の進んだ部族によって最愛の女を奪われる。これを取り戻すために、艱難の旅を経てたどり着いたのは、ピラミッドを建設する「国家」という文明人たちの都市だった・・・

紀元1年というのは、これのパロデイで、主人公が原始人なのは同じだが、旅の途中でアブラハムに会ったり、カインとアベルの乱闘現場に立ち会ったりする。それじゃあ、紀元1年どころか紀元前の話になる。それでも原題は「YEAR ONE」だ。彼もまた文明に出会って、ついには勝利するという顛末。

シリアスな1万年に比べて、1年のほうが諧謔あって面白い。

1億年は、タイムマシンで7000万年前の恐竜時代にタイムスリップする、お手軽SF。

恐竜家族という漫画的なのもあったっけ。「フリント・ストーン」というテレビ漫画や、それを映画化したものも楽しかった。

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