1993年
 大熊・小高バプテスト教会で
 久保田早紀インタビュー

 大野バプテスト教会で久米(旧久保田)早紀

 「異邦人」で一躍スターダムにのしあがった歌手の久保田早紀さん(本名久米小百合)が大野町と小高町の教会チャペル(礼拝堂)で五日と六日、福島第一バプティスト教会の主催するクリスマス・コンサートで、さわやかな歌声を聞かせてくれた。
 久米小百合さんが福島県内でコンサートをするのは初めて。独特なエスニック・サウンドを取り入れた中東風のオリジナル曲「異邦人」が出来上がるまでのエピソードや、デビュー以後の音楽活動などについてリハーサルの合間にインタビューした。
二上 現在は教会コンサートだけしか音楽活動をしていないのですか。
久米 そうです。百パーセントこれに賭けています。
二上 芸能界に彗星のように現れたデビュー当時には、どうなふうに思いましたか。
久米 所属の事務所でも)売れるとは思っていなかったみたい。ですから持にプロモートもしなかったんです。ところがレコードが出たら三ケ月ほどで三十万前四十万敬と売れてゆき、とうとう百万枚を突破しちゃった。クセのある曲だから、そんなに入気が出るなんて思ってもみなかったんです。嬉しいという気持とともに、怖いな、という気持の両方でした。咋日まで学校出たばかりの無名の女の子がエベレストのてっぺんに立ったみたいな気分で。このまま人気が出たというだけで歌っていっていいのだろうか、と悩みました。
二上 教会関係の仕事をするようになったのは、そうしたきっかけですか。
久米 そうです。歌っていて自分の拠り所は何だろうかと考えた時に、小さい頃母に連れられて日曜学校に行ってた教会に戻って、これだと思って、一年半後に洗礼を受けました。
二上 今は本名で歌っておられるようですかご年人とは、どこで知り含ったのですか。
久米 当時の音楽事務所が同じで、私の曲を編曲してくれたりしてたんです。
二上 久米さんはシンガーソングライターですが、自作のレパートリーは今まで何曲ぐらい作られましたか。
久米 百曲くらいあると思います。発表しているのが七十曲くらい。おクラ入りが三十曲くらいかな。
二上 どんな時に曲が浮かぶんですか。作詞作曲で苦労する時ありますか。
久米 歌詞が出来てから曲をつけるんですが、なかなか字数が合わなくて苦労します(笑い)。旅が好きなんです。一人旅。日常的でない雰意気がいいんですね。日本だったら北海道とか、瀬戸内海が良かった。日本の海って何て美しいんだろうと思った。外国では南フランスの田舎とか。本当にのんびりしていて。それとイスラエル。聖地ですから。
二上 「異邦人」の中東風のイメージは、どこから来てるんですか。
久米 私が中学、高校生の頃に父親が仕事でイランに行くことが多かった。テヘランから帰ってくるたびに、どっさりテープをお土産に置いて行くんです。だから私は同じ世代の人と一緒にユーミンを聞きながら、片方の耳ではアラブ風のエスニックも聞いていた。日本人には変な節回しに感じるんだけど、今でもあれって好きですよ。
二上 当時はニューミュージックから出てきたという感じでしたね。
久米 それに埋没するのも嫌だから目立つようにエスニックを入れた(笑い)んです。だからクセが強すぎて売れないだろうと思っていた。
二上 それがウケちゃった。原町に日本で育った中国人の教会歌手で胡美芳という入が来て歌ったことがありますが彼女のように今後も教会関係で歌い続けるんですか。
久米 ええ。今回」緒に来てくれた技術さんも胡美芳の担当をした人です。
二上 年末年始の予定は?
久米。 二十四日からロスへ行きます。日本語で礼拝する北米ホーリネス教会があるそうです。そこで東京音楽祭にも出場したイエメンのオーブラ・ハりザーさんとジョイントできるかも知れない。コンサートでなくて一緒に歌えれば、と。一月七日から十三日はハワイで日系人関係の教会に寄ります。
二上 これからも素敵な歌をどんどん歌って下さい。ありがとうございました

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