原町無線塔、朝日座など福島県南相馬市原町区(旧原町市)の文献を公開

M44 のまおいに満艦電飾がついた!

明治44年 電燈の光で満艦飾の野馬追
○野馬追の前触(明治44年7月11日)
△九百円の祭典費
大名行列なら「下へ、したへ!」の役で野馬追の前触役に当り付き、原の町下だりまで、一度見ぬ馬鹿で二度見る者も馬鹿だとか云ふ祭典の前触れ役、一度見た事ある記者には愈々以て馬鹿の上塗り、お爺が聞いたら怒るベイが、是も職務とあれば止むを得ぬ次第「さあいらっしあい」二度と行くまい相馬の原の町」是が野馬追の名物男佐藤政蔵さんの唄の出し、行ったら余りいい処で帰られなくなる。華婿の国の様な意味なんだらう。「南北交通自在の汽車の発着場」なんど恐ろしい木瘤立ったサノサなんどがある処を見ると野馬追式に武装して居るのかも知れない。
△新しい電燈 未だ馬鹿にならざる抑の初めての野馬追を見んとした時はアセチレン瓦斯を以て満飾して居ったが、馬鹿になって見れば腹の町街頭は総て新しき電燈の光にて包まんとする有様にて目下其準備に忙殺されつつある倫敦ならイングランド銀行前とした様な停車場より来る辻に「相馬電燈株式会社」が大意張りして居る様な看板が御座る、更に角是も「いらっしあい、いらっしあい」の景気もの。
△電気の着物 原の町に取ては是が一つ新聞の夏衣なり、着られる丈着て外のお客にお愛嬌を振り散かす積りなる可し。先づ停車場前、夜の森公園にはイルミネーションを点じ、田村、山東、円東の名商店其他も競ふて花電燈を以て美々しく飾り、相馬の田舎から来た、野馬追見物のヂヂババ連に杖を腰に当らせ「あら何だべナア」と云はせる算段だ相な。
△団体と煙火 山東及び円東とが連合して景品入れの煙火四十発を打揚ぐるは同年のお祭りを飾る景気の一つで「いらっしあい」の種子、福新聞が主催して百五十人の見物人を□して来るのは慥かに(たしかに)一の呼び者で是「いらっしあい」田村呉服店にては野馬追絵入のハンカチーフ及び手拭を最も新な意匠で最も安価で売出す由。□は「銭藻っていらっしあい」其他□□るも皆々大変な景気にて、要するに「いらっしあい、いらっしあい」原の町の方言で「皆んな、おでいあ」
△臨時の列車 海岸タイムス社に寄ったら野馬追号編集で多忙最中「時に臨時列車はあるか」と聞いたら「あるともある、なんぼうでもある。」大変な勢いで野馬の様に其処で時間割を見ると十二日は普通の□に是程なんでもあり。
上り         下り
午前七時四十八分  午前八時五十分
午前十時三十分   午後四時四十分
午後五時○分(移乗原町発車)
△知事もお出で いらっしあいの綱は何処迄も延びる、其綱は福島に届いて知事御夫妻、警務長夫婦が喰っている相だ。一昨年師団長の婦人が来て祭典費用が百五六十円増いた相だから此二夫婦で今度は幾何増いるだらう(九日前振記者)
7月11日
○野馬追前触
△参れ! 参れ!
原の町の人は他から入り込む客人に対して「いらっしあいいらっしあい」なれど是が野馬追のけんぶつとなると「参れ!参れ!」今の軍隊の号令なら「進め!進め!」と云ふ意味だ。例に因って例の如く古式に則って行はれる祭典なので。準備もしたがって別段の事もなく舞いえ参れの調子に悉く千トンせりと云っても差し支へなく前触れ記者は何も書く事がなく一番閉口だ
△・・・野馬追には馬鹿に熱心して野馬追町長と迄云はれた佐藤徳助氏が病褥にあるのは実に惜しい事だ。曰く佐藤政蔵、遠藤六郎、松岡重盛、野崎亀鑑、堀内秀之進などで故人となった今村秀芳氏は玄徳ではないが、今でも其人の名を呼べば三軍の士気忽ち振ふとした概があった相だ。
△興行者準備 お祭を当込みに興行をなす連中は昨今続々入り込み中で書生のなりさがりて大同商人様なのが停車場から盛に下車する追々の景気だ 目下の予想では必ず昨年に倍する好況であらうとの事で、天候も大丈夫らしい、夫れにもう観覧団体が入込んだ。
「サア参れ! 参れ!」(前触記者)
7月12日
原町電報(十一日午前)
相馬野馬追は毎年雨降るが例なれど近来九十度以上の暑気にて天気続なれば人気大に勇み立ち未明より煙火を打ち揚げ町内は軒頭に造花提灯を飾る等壮麗を極む明日の盛況察すべし
○宵乗の競馬
△見渡す十里の原頭
△騎馬三百風に嘶く
酷暑燃ゆるが如く、雲雀が原の青草為に伏すかと疑はるる十一日正午頃より原の町指して集まる騎馬武者引きも切らず、長鞭を振って群集を切って

七月十三日
○傘の山人の丘(二面ノ続)夜の森の壮観
審判の櫓から夜の森の丘を見ると、一面洋傘で、填て(うずまって)いるのだ、丁度洋傘で造り挙げた浮城の様に其間々から白い黒い、赤い、いろいろの顔が動くハラハラハラハラと蝶が群り舞ふ様に扇が翻へる(ひるがえる)。人の山、傘の丘の様で其処に只一本紅い「松の友」と紅い旗が飛び抜けて見えるのは、広告に妙を得たもの、其ウジウジした人の顔の集積は記者の稿を書き終って寝に就く時にも明々と眼に浮ぶ。
7月14日
「雲雀原の偉観 一千の騎馬武者 十万余の群集」
数日来の酷暑は相も変らず、金をも溶さん炎暑なるも遉(さすが)は相馬武士なり
7月15日
○小高の神燈 天に在っては銀漢 地に在っては万燈 ○野馬掛奇観

はらのまち100年史

お気軽にお問い合わせください。 TEL 024-546-9261 受付時間 9:00 - 18:00 (月・水・金曜日除く)

PAGETOP
Copyright © おはようドミンゴ・二上英朗 All Rights Reserved.