原町無線塔、朝日座など福島県南相馬市原町区(旧原町市)の文献を公開

戦時中の鉄道と駅改築

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さて木炭自動車の経費だが、これはガソリンを使はないでも運転できるといふだけのことで、ソロバンの上では決しておすすめ出来ない、試みに福島川俣往復に要した木炭代は一円四十銭でガソリンの場合より三十六銭ほど高くついてゐる、また乗務員の手当についても考へないとイケないのは、木炭車を発車するには発車前一時間半乃至二時かんからかかって、火おこしをしなければならない勤務時間の延長だ(これは今のところ短縮する方法がない)福浪間では現在十一台の車中半分を木炭にする「計画だがさうすれば上手にやって一ヶ月一万キログラム、まずくても五千キログラム位のガソリンが節約できる見込み、福浪線のやうな山の中を走るバスでは木炭車と謂ふも木炭ばかりでは動かない上りになればどうしてもガソリンを使ふので上手、下手のある訳だが、ガソリンに切りかへてゐる時でも、木炭でも消えてゐないのだから二重の燃料が要ることになる、飽までもガソリン使はないといふだけだ、なほ木炭自動車はどの位使用されてめ(ゐ)るかを調べれば
大阪三十六%、神奈川十二%
きしたところが目墓誌しいもので、東北では火は消えてゐないのだから二重の燃料が要ることになる、宮城には少しもないことを示している
北海道二、五%強、青森二、秋田二、二%強、福島二、二%
山形、福島民報14、浪江毬、請戸

昭和14年2月4日民報

駅の改築
昭和14年6月2日 小高駅竣工式 四日落成式を挙行する

昭和15年1月10日 中村駅の改築 鉄道局へ陳情運動
昭和15年9月27日 原町駅改築
11月7日 原釜停車場設置を陳情
昭和16年12月20日 新築中村駅竣工
昭和18年8月25日原町駅落成

昭和15年の全国紙東京日日新聞福島版に「原町駅改築」という題で記事が載っている。
「常磐線原町駅改築問題は過般同町当局をはじめ有志等から仙台鉄道局み陳情中とのところ九日同局長一行が実地視察の結果愈々本年中に改築することに決定した」

しかし落成は昭和18年までずれ込んだ。
戦時中野財政ひっ迫のため、中途半端の建築のまま、資材不足で二階立ては断念し中二階のまま完成という形で抑えられた。表の四本の柱廊も、鉄筋がなくて竹筋コンクリートという仕様になった。いかにも戦争中野日本的解決であった。

木戸駅で兵士を送る

当時木戸駅の職員だった金成正は鉄道院の作業や、戦時中野気分を手帳に綴った。
金成は震える手で転てつ機を操作し、レールを動かした。D51型蒸気機関車を先頭に50ほども連なった貨車が、白一色の平原上に黒い煙をたなびかせながら南下していった。行き先は軍需工場地帯の日立ちや、川崎、東京、横浜の港などだった。
昭和十九年一月三十日。列車がまた乱れる様だった。今日は我が木戸村より若人五人揃って勇躍征途につくのだ。今日も自分の先輩、入鉄依頼の指導者矢内馨君等五人元気にこの地を出発す。自分は平まで見送る。今日の入営兵の汽車はきっしりと乗って居た。雨が降っていた。
前年秋以降、常磐線の上り列車は臨時列車が急増し、定期列車は頻繁に遅れるようになっていた。貨物列車で運ばれる物資は野菜や米、果実などの食用から機関銃や大砲、弾薬など。北海道や樺太から良質の石炭もあった。積荷は外からは見えなかったが、金成たちは貨車の外側にある「暗号表示板」で、中身を把握した。例えば青色の二重山の形をしたマークは兵器やその財領。「キ」印は銃弾やニトロなどの薬品。…といった具合だ。印のないのはほとんど兵隊用の食料品。一般の国民、とくに都市部ではなかなか口にできなくなっていたコメが中心だった。
三日に一度は応召兵のための臨時列車も発着し、構内にバンザイが響いた。前年の十二月、徴兵適齢がそれまでの二十歳から十九歳に引き下げられたうえ、これまで応召の対象とならなかった体格の小さい人たちにまで「赤紙」が届くようになっていた。兵隊をは戦につぐ敗戦で、兵員と軍事物資は極度に不足。臨時列車の急増発は、それらんを全国各地から補う意味があった。国民は「勝利に次ぐ勝利」を信じつつ、「撃ちてし止まむ」の陸軍の決戦標語の大合唱のもと、鉄砲や戦車、戦艦など武器の財領となる鉄を調達するため、農具から寺の鐘までありとあらゆる鉄製品を差しだす運動を展開した。
金成の身辺もこれまでにない事態が進んでいた。43年9月に廃止された川俣線の線路が軍需品として没収され、常磐線の鉄橋も必要最小限の骨格以外の鉄筋が取り外された。鋼鉄で出来た旅客車は姿を消し、木道客車だけ残された。政府は不急旅行の禁止の「政策を打ち出し、客車は次々なくなり、乗車券も各駅割当て制となった。木戸駅での乗車券の割当ては一日にたった三枚。駅員たちは軍事輸送業務に全勢力を傾け、一日おきに二十四時間の勤務が続いた。金成は「疲労が限界に達し、作業中のに知らぬまに寝込んでしまうことさえあった。」と明かしている。毎日新聞「あの日の軍国青年」より

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