八月十日 本日、郡山高射砲隊と、第一四特警隊(須賀川)に凱歌上がる、(敵機が)郡山高射砲隊の命中弾を受け、よぼよぼと逃げて区内山寺地内まで来て遂に行動の自由を失い、落下傘にて下降せるを発見、部隊員の活動機敏なる処置により乗員二名の捕虜を得た。
 最初、之を発見、報告を受けた部隊は兵力なきを以て、直ちに農学校に通話し、兵器弾薬を携行応援を要求せり。濃高生時を失せず来援、根本兵長と共に現場に急行、所在警防団員及び村、町民の応援を得て完全に捕獲し警察署に連行、一応事情を聴取(中村軍曹)郡山憲兵隊に引き渡したり。この時、矢吹飛行隊より、中尉一名兵十余名を引率、捕虜引き渡し方懇請ありたるも、担任警備区内に於ける事件にて、矢吹部隊の功名材料に提供すべき筋合いのものにあらず、軍規に基づき、当部隊より直ちに郡山憲兵隊へ通報、引き渡しの手続きをとった。
 矢吹部隊の捕虜貰い受けの心情苦々しき限りなし。