浪江町役場移設予算案を否決
議会 選定法・費用に異論

 浪江町議会は25日の臨時議会で、二本松市に間借り中の役場を市内の別の場所に移設する費用を盛り込んだ2011年度の一般会計補正予算案を反対多数で否決した。「選定の議論が不十分」などの理由。間借り期限が近づく中、町は4度目の移転の再考を迫られる。
 全域が避難区域の町長は震災直後に役場機能を町の支所に移し、二本松市の支所を経て、昨年5月から県男女共生センターに置いた。3月末で契約が切れるため、移転先を探してきた。
 数か所から絞り込bbだが市街地から北西に約4キロほどの市有地。無償で借りた敷地に鉄骨2階、延べ床面積約2千平方㍍の事務所をつくり、分散している教育委員会や議会事務局を集約する。建設費用約3億9千万円の3分の2は国の補助金で、8月末の移転を前提に、県には間借りの延長を要請する予定だった。
 しかし、臨時会では「選定経過が議会で十分議論されていない」「費用が高すぎる」などと反対が相次ぎ、東京電力の賠償で賄うべきだとの指摘も出た。
 町は間借りの再延長は困難とみて、同市内でこれまで挙がった候補地を再検討するか、別の敷地を探すことを視野に入れている。
 町は段階的な帰郷をにらんだ復興計画づくりを4月から本格化させる考えだけに、混乱が長引けば痛手となる。「役場機能の停滞につながりかねない事態で残念だ」。馬場有町長は閉会後、困惑した表情で語った。(澄川卓也)
朝日新聞2012年1月26日

臨時議会では反対討論はなく、議長を除く議員十九人の採決の結果、賛成八、反対十一で否決された。反対した議員によると、建設場所の選定に疑問があったという。
 福島民報2012年1月26日

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