原町無線塔、朝日座など福島県南相馬市原町区(旧原町市)の文献を公開

DASH村は浪江町津島にあった

DASH村は浪江町津島にあった
TOKIOのコーチ役は福島県人
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 テレビ番組の人気企画

 日本テレビ系列で日曜夜七時から全国放送されているバラエテイ番組「ザ!・鉄腕DASH!」の「DASH(ダッシュ)村」コーナーが注目されている。放送以来、テレビ局には「DASH村はどこにあるのか」という問い合わせが殺到しているほど。 「DASH村は浪江町のどこどこにある」と、公然とPRできないのがいかにも惜しい。
 「DASH村が初めて放映されたのは昨年六月四日。体を張ったさまざまな体験や実見、パフォーマンスにチャレンジするアイドルグループ「TOKIO」のメンバーたちが、「日本地図にDASHの四文字を載せることができたら…」という思いからスタートした企画。そのためには新しい「村」をつくらなけばならない。村の条件は次の三つ。
・ 村長を決めること
・ 土地を分けてもらうこと
・ 役場を置くこと。
 村長を決めるため、インターネットとハガキによるDASH村の村長選挙が行われた。
 昨年六月二十五日、「アヒル隊長」が村長に当選。次点の城島茂、次々点の山口達也は副村長に選ばれた。アヒル隊長は「カヌー・川下りレース」という企画で、タレントチームと「競争」したプラスチックのマスコット人形である。一種のジョークだが、「DASH村」本来の魅力は現在の農村や農業をめぐる本質的な問題に肉薄するアプローチにあった。以下、放送の経緯を追ってみる。
 七月三日。村づくりの条件となる「土地を分けてもらうこと」。ただし、賃料は「三万円」とする。副村長の城島と山口は、各地は、各地の不動産業者や役場を回り物件を探した。
 城島副村長が選んだのは、森に囲まれた緑豊かな土地。ボロボロの古い民家がポツンと一軒立っている。一方山口副村長の一押し物件は、東京ドーム8個分という石灰岩採掘現場跡地。しかし水がない場所。どちらがいいか、インターネットとハガキによる投票で決めることにした。
 七月二十三日。投票の結果、城島副村長が推薦する物件に決まった。場所は非公開だった。
 農業指導は地元の三瓶明雄さん。長年培って来た経験から、地質を見抜き的確な土地改良で見事、荒れ地を畑によみがえらせた。
 三瓶さんは昭和四年生まれ。農業歴五十年のベテラン。自宅ではトマト、ナス、大根などの野菜全般、米、トウモロコシを栽培。「ツヤとハリのある野菜をつくる」と評判で、彼の畑やビニールハウスには色とりどりの野菜がびっしり実っている。
 人がらは温厚だがいい加減な仕事ぶりを嫌うため、時に厳しい。だが去り際に必ず「うまくやらっせ」と暖かい声をかける。
 料理の腕も相当なもので、大根の葉の鍋やきゅうりの和え物など、素材の旨みを活かした料理の数々は素朴にして豊かな味わいで、まさに絶品とか…。
 八月上旬(八月二十七日放送)。城島副村長とともに長瀬、松岡、山羊の「八木橋」(やぎはし)がDASH村にやってくる。長瀬と松岡は大工さんと古い民家を修復。この日、囲炉裏の間の修復が終了。城島とTOKIO以外のメンバー清(せい)は左官屋と崩れた土壁を担当。外側が完成した。
 翌日、城島は内壁塗り、山口は残りの二間とガラスの抜けた玄関戸づくり。最後に八木橋の家を建て、ようやく住む家が完成した。
 八月十八日(十月一日放送)。城島、山口、清の三人は荒れた畑の草を刈り、堆肥を入れて耕した畑に野菜の種を蒔く。長瀬は、しいたけを栽培。巨大きのこ「おにふすべ」が映えてきた。この成長過程の映像は世界初という。
 八月二十五日(十一月十二日放送)。畑に蒔いた野菜八種類の種の先陣を切って大根が発芽。
 九月上旬。山を切り開き、炭窯づくりに着手。
 九月二十三日。コオロギやネキリムシたちから野菜を守るため、害のない農薬を散布。
 十月十九日。霜が降り、畑のきゅうり、かぼちゃ、いんげんが全滅。
 
さまざまな○○づくりに挑戦

 十一月四日。大根238本、白菜10玉を収穫。その場で調理して試食。冬に備え、収穫した大根と白菜を漬物にした。その大根と白菜で、待つ顔と山口が漬物名人・三瓶孝子さんの指導のもと漬物づくりを始めた。
 十一月十七日。野菜を狙ってイノシシが出現。
 十二月上旬。漬物づくりに着手。白菜の塩漬け、たくあん、大根のぬか漬けを作る。
 大根と白菜の漬物を作ったのが自分たちだけでは食べきれない。これを売ってDASH村の運営資金にしたいと、城島、清が漬物三種類100個を持って朝市などを巡り、行商に挑んだ。
 十二月十二日。初雪。炭窯が完成。火を入れる。
 一月七日。炭出し。見事な炭がたくさんできる。畑に残っていたにんじん、春菊、ホウレンソウを収穫。作った炭で鍋にする。50センチを超える大雪になる。炭焼きは二度、三度と続行。
 二月。新しい仲間として生後四か月の柴犬がやって来る。名前は「北登」(ほくと)。山口が作った犬小屋で暮らし始める。
 三月。露天風呂作りに挑戦。
 まず、温泉掘削を目指し、水脈や金属に反応するといわれるダウジングという方法でくまなく探索したが、それらしい反応はなく断念。それなら風呂、それも露天風呂が作れないか。一度目は失敗に終わったが、試行錯誤を繰り返し、ついに完成。
 ゆったりとした露天風呂から一望するDASH村の畑、家、炭窯は眺望抜群。露天風呂そのものも美しい野面積みの石垣の上にどっしりと構えられていて荘厳。
 DASH村で焼いたコナラ炭を収納する小屋を、伝統的な日本建築の技法で完成させた。炭小屋は高床式で①壁板組み(側面の柱を立て壁となる板を入れる、②床組み、③屋根、④屋根板付け、⑤内装、⑥ねずみ返しを取り付けた本格的なもの。
 昨年九月。初めて冬を迎えるDASH村。自分たちで「木炭」をつくることとした。指導したのは炭焼き歴55年の三瓶金光さん。さっそく炭窯づくりと木の切り出しが日時待った。秋は木が水を吸っていないため、よい炭となる。
 昨年十月、炭窯作り。十一月、炭釜づくり続行。十二月、いよいよクライマックスに「突入。天井、窯口を作り、火入れ。窯口をふさいで炭焼き、窯止め。冷めるのを待つ。
 今年一月。炭だし。良質な炭は打つと軽い金属音がするという。約五か月かかった。いまも、炭焼き作業は続いている。

DASH村の人気の秘密

 DASH村の不安材料は、戸がはずれ、壁が剥げ落ち、廃屋同然の古い民家。まず修理に取り掛かる。
 城島副村長が棟梁の池田末治さんに指導を依頼した。池田さんは昭和八年生まれ。大工歴52年。電道具はほとんど使わず、ノコギリ、カンナ、金槌など基本的な大工道具だけで日本家屋を建てる。ロケ終了後、「池田棟梁だから一日で終った」と口を揃えた。
 大工の細川英重さんは昭和二十六年生まれ。大工歴35年。池田棟梁の技と精神を受け継いだ。技術の細かさと作業の速さには定評があり、ノコギリ引きの速さは天下一品。伝統的な日本建築だけでなく洋風建築も手掛ける。
 大工の大妻鉄男さんは昭和50年生まれ。彼が鉈を持てば、雑木林の太い枝も一瞬にして倒れる。基本技術をマスターしているため、池田棟梁の片腕として活躍。
 左官屋の林一さんは昭和二十二年生まれ、土壁の技術を受け継ぐ。日本では数少ない職人。土壁を塗るのはみ十年ぶり。原料となる粘土の見極め、わらの選定と裁断、土壁の水加減、芯となる竹選び、切断。竹編みまで完璧にこなした。左官業38年、今はモルタルやコンクリートを塗っている。
 家は修復した。だが「すきま風」という新たな問題が発生。長瀬、松岡が中心となって「家の冬支度」を行った。
 松岡は」寸法に合わせてベニヤ板を切り、戸のガラスが割れた部分をふさぎ、長瀬は土壁の隙間に土壁を鏝(こて)で丁寧に塗る。これで、補修が完了。
 「二〇〇年前の日本伝統家屋を蘇らせることはできるのか?」という企画は、富山県から福島県に移築するというもの。そのプロセスで、日本伝統の建築技術が紹介された。
 視聴者には人気タレントが黙々と農作業や大工仕事に汗を流している姿が新鮮に映っているようだ。NHKの教育放送とは全く違う手法で若者たちにメッセージを送っているのが「DASH村」の人気の秘密といえよう。
 
場所は非公開だが…

 DASH村は寒暖の差が大きい。夏は気温三〇度を超える日が続き、冬は零度を下回る日もある。豪雪理ではないが雪も降る。夏は雨が多く、冬は少ないが、入り組んだ地形のため突然降ることもある。これは湿った空気が山に当たり、上昇気流となって冷やされるため。
 DASH村一帯は灰色低地土質で、水田、畑。果樹園の栽培に適しているという。水質は全ての成分がおいしい水の条件を満たしているという。しかし、大雨が降った時は溢れるのが難点だ。
 番組に歯、全国から「いつも家族で他の詩句拝見しています」「これからもいい番組を作ってください。応援しています」「DASH米作りはやはり、昔ながらの方法で行うのでしょうか。それも素晴らしいですが。できることなら現在の機械化された稲作法も紹介してください」「DASH村を見ていると、自然の大切さをしみじみと感じます」といったファンレターが寄せられているという。
 書き込みで最も多いのは「DASH村がどこにあるのか教えて」というもの。しかも、「DASH村をぜひ訪ねてみたい」という。非公開だが、地元では誰でも知っている。
 ウワサをたどってゆくと、浪江町の山間であることが判明。ただし村人には「緘口令」が敷かれている。もっとも、協力している農協や建設会社などを追跡すれば簡単にわかるから、実際に訪問する人もかなりいる。
 DASH村の入り口には「立ち入り禁止」の看板がある。番組のデイれくたーは、「あくまで番組でごらんください」と語っている。
 
村人「清」って誰?

 「自分たちで、自給自足の村を建設する」といっても、TOKIOは忙しい人気タレントである。撮影するのは訪問したときだけ。それをカバーしているのが「村人・清」と呼ばれる青年である。
 彼の日記が公開されており、一部引用する。

(「DASH村との出会い」へつづく)

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