原町無線塔、朝日座など福島県南相馬市原町区(旧原町市)の文献を公開

データを削除させた県の殺人

民間事故調で明らかになった内堀副知事のオフサイトセンター撤退の実態
 データを削除させた県の殺人

 3月20日に、福島県災害対策本部(佐藤雄平知事)が、東日本大地震発生の昨年3月11日から16日にわたって原子力安全技術センターから受信していた81回分の予測データの画像メールを職員が消去していたことが明らかになった。

 馬場有浪江町長は、
 「データが消失していたなんていうことは全く許せないですね。これを町民の方が知ったらどんな騒ぎになるのでしょうか」
 と怒りをあらわにする一方で、
 「私の指示で町民が避難しましたから、私にとって非常に重い責任だと思い増す。まともに被曝させてしまったことについて、その責任の所在を明らかにしなければならない」
 と県に対して真相究明を求めた。
 浪江町の住民は、SPEEDIの画像データで放射線の高いことを示していた北西方向に何も知らされずに避難し、その結果、被曝した経緯がある。仮に、県がSPEEDIのデータが示した放射線の高い地域を避けるように避難民を誘導していれば、被曝しなくても済んだともいえるのである。しかも、このような重大なことが1年も経ったいまになって、マスコミの取材によって明らかになったことを考えると福島県は何ら検証作業を行っていなかったか、あるいはその事実をひた隠しにしてきたということだろう。

だから、浪江町民はホットスポットに避難した
 昨年9月13日に福島県議会で全員協議会が開催された。国から安全・保安院の深野弘行院長、平岡栄治同次長、黒木慎一同審議官、山田知穂同原子力発電安全審査課長、内閣府原子力災害対策本部原子力被災者生活支援チームの西本淳哉経産省大臣官房技術総括審査官、環境省の鷺坂長美水・大気環境局長、内閣官房経済被害対策室の保住正保参事官が出席した。この中で、質問に立った双葉郡選出の吉田栄光県議と政府関係者の間で興味深いやりとりがあったので紹介する。
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吉田県議 納得できない。浪江町民は3月15日夜半まで非常に線量が高い津島地区にいた。
SPEEDIについては、これからいろいろと質問してきたが、14日まではある程度太平洋側に風が吹いていたので参考にしていないと言われるが、私は14日から15日に汚染を拡大する事象が起こったのではないかと考えている。SPEEDIが体を成していなかったのは非常に残念であるが、SPEEDIを最初に見たのはいつか。
深野院長 SPEEDIを使って計算したのは、3月11日~16日までの間に計5回である。ただし、基礎となるデータがないため、これらはいずれも試算である。
吉田県議 試算云々はどうでもよい。以前、県は、私の質問に対して「3月13日の午前10時30分に、国からファックスでSPEEDIが届いた」と答弁している。これが事実か。
深野院長 手元に記録がないので分からないが、県にもSPEEDIの試算結果を送信しているものと思う。
佐藤憲保議長 いつ県に送信したかという時間の質問である。
黒木審議官 県に送信した時間については現時点でデータを持っていないので、後日確認して示したい。
佐藤議長 後日ということであるが、すぐに確認出来ることと思われるので、早急に確認願う。
黒木審議官 県に対しては、3月13日の午前10時37分に送信した記録があり、放出を行った前提で、12日午前3時から13日午前8時まで、1時間ごとの計算結果を30枚県に送信している。
吉田県議 県生活環境部長の答弁においても、データを受信した時点で既に過去の試算結果であったことは聞いている。それでは、3月13日以降のSPEEDIの情報提供はどうだったのか。
黒木審議官 3月15日の朝にも送信したと聞いている。その後、政府現地対策本部。OFCが県庁に設置されており、SPEEDIも政府現地対策本部で計算して、県も参加しているOFC内で共有されていると認識している。
吉田県議 3月14日には情報提供はなかったのか。
黒木審議官 先程確認したところ、3月13日の次は15日朝に送信している。14日に送信したかどうかは確認されていない。
吉田県議 独自調査によると、14日は水口氏から県原子力センター八巻次長宛てに、連絡簿、プラントパラメータ及びSPEEDIの図面が送信されている。
黒木審議官 政府現地対策本部において、14日以降、毎日のようにSPEEDIの試計算を行っているので、そのデータが県に提供された可能性はある。
吉田県議 大事なことである。被災者として、県民として、情報公開をしっかりしてほしいと考え、質問している。なぜ、私が3月14日、15日にこだわるか。先ほど、内堀副知事は先遣隊で戻ったという説明だが、その14日からSPEEDIにおいては大きな事象が起きている、風の影響が大きかったものと推察しているが、その時にしっかりと解析し、検証し、評価していれば、浪江町のようなひどい状況に歯ならなかった。
 津島地区は非常に寒い夜で、みぞれと雨の中、二本松市に移動するという状況であった。
SPEEDIを参考にしっかりと対応していれば、若い母親や子供達が心配するような状況を回避出来たのではないか。作為的だったのではないかとすら感じる。
 3月14日、15日の状況をしっかり検証して、明確な考え方を示すべきと思うがどうか。
深野院長 3月14日から5月5日まで、SPEEDIのデータをOFCに提供し、共有してきた記録は残っているが、モニタリングする際にどの地区を重点的に見に田リングしれゆくかの参考とするために提供したようである。
 この時期、さまざまな事象があったので、事象を踏まえての試算を行った記録は残っているが、そのデータを組織として共有し、活用することが出来なかったことは議員指摘の通りである。
吉田議員 3月15日の福島市のモニタリング結果であるが、午後3時に0.08μSv/h だったものが、午後5時には20μSv/hである。一気に数値が上がっているが、どのような原因があり、これに対してどのような評価をしたのか。こういうデータをしっかり活用して退避誘導すべきだったと考える。

財界ふくしま2012.5月号

3.11南相馬

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