原町無線塔、朝日座など福島県南相馬市原町区(旧原町市)の文献を公開

「冬薔薇」24年度集


 原町句桜井町の石川文子先生から「冬薔薇」24年度集を、お送りいただきました。誠にありがとうございます。
 同誌から、津波原発事故惨禍を読みこんだ句を抜き出してみたら、こんなにありました。時世のことばの中に「津波跡」「地震」「放射能」「避難」などが多用され、まさに2011年からの特徴的な作句傾向が顕著ですので、南相馬のインターネット情報サイトにアップロードいたしましたので、ご了解願います。
http://www.facebook.com/hidero.futakami?ref=tn_tnmn#!/TiER.future

木枯らしや更地となりし津波跡 志賀厚子
誰彼に労られをり去年今年 同
先見えぬ日々の暮らしや年つまる 佐藤衣子
一時帰宅青田の続く車窓かな  同
荒れ果てし庭に一輪すみれ草 同
膝毛布重ね避難の春の闇 同
堤防の崩れしままや虎落笛 佐藤和子
ジレンマにもがく君かな春愁ひ 同
林立す重機の浜や去年今年 同
言ひ切れぬ言の葉残し年逝けり 佐伯律子
空気入れ押し返される盛夏かな 同
復興の職人路地に三尺寝 牛来承子
避難させ漢独りや金魚飼ふ 同
片寄せて仮設の家並春の月
復興ののろし野馬追一番旗 同
産ぶ声に託す未来や新樹光 同
なすことのなき不自由や土筆生ふ 同
冬の雨瓦礫の山に降りそそぐ 木幡幸子
絆てふ揃ひのシャツ着て踊りの輪 同
初日の出海を鎮めてのぼりゆく 同
避難せし子等の分まで豆を撒く 同
孤独死の続くニュースや涅槃雪
復興の夢のせ走る春競馬
悲しみは目深に被る夏帽子
地球儀に地震も津波もなくて初夏 石川文子(第19回俳人協会俳句大賞)
馴れるとは諦めること夜の蟻 同
鮭茶屋も簗場も失せて冬ざるる 同
今年また生きて紅葉の赤さかな 同
銀河濃し病める地球に人の溢る
落葉舞ふ耐ねばならぬ事多く
かるの子のフクシマの地を闊歩せり 伊藤雅昭
忍耐の日々はいつまで百日紅
津波跡夾竹桃の真くれなゐ
明け六ツの春雷ふつと地震予感 小川信親
田をつぶし村潰されて物芽出づ 同
過去にせぬ過去よ三月十一日
線量を減らすすべなく夏果つる 大甕知永子
地震跡にしてうそ寒きたつきかな 同
世事うときことに腹立ち冬に入る 同
災害の里曲(さとわ)の風や冬のこゑ 同
春深む父決断の離農かな 加藤照子
春が来てまた春が来る常なれど 同
田植刻田の神いづこ放射能 同
生きてゐる事の感謝や聖五月
夏の海がらんと広き津波あと
霜柱かがやく白も放射能
地震あとの風の冷たさ身に沁みる
ふたたびの地震に戸惑ふ去年今年 加藤光子
津波あと残る古墳に春立ちぬ 加藤芳江
沈丁花ゆがみし跡地の地震の跡 同
新大麻掛ける床(とこ)なき避難部屋 杉津禰子
一時帰宅我が家のゐくね栗の秋
鐘をつく一時帰宅の寺の鐘 同
仮住まひ亡夫を迎える盆用意 
人住まぬ淋しき庭の忍草 同
久に遇ふ友も仮設や星月夜
帰宅して盛れば柿なし猿が食ぶ 同
ふるさとの無花果なれど放射能
小鳥来るかつての避難所運動会
春先の仮設校舎や新入生 高倉紀子
十薬や瓦礫まみれの自己主張
収束の見通し少なちちろ鳴く
みちのくの仮設校舎や冬日濃し
避難して一年半や秋の風 根本淑子 
線量計斜めに読みて春野ゆく 村越裕子
セシウムの栗拾はれず蹴られおり 同
地震やみて炬燵を囲む安堵かな 吉田茂子
避難地を楽しめと雪降りに降る 渡部とし江
夢いつも「浪江」にありて明け易し 同
一時帰宅亡夫(つま)の籐椅子沈ませる 
坊さんも避難所からの盆供養
門火せぬ仮居にて亡夫の来てくれる 
避難者といつまで呼ばる冬二度目
離れ住み枇杷の食べ頃思ひをり 渡部要子
けなげにも涅槃の庭に山 
ふるさとへ帰心募らす虫しぐれ
冬薔薇便りなき友案じをり 渡辺良子

3.11南相馬

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