パニック映画

.2011年6月1日 6:15 二上 英朗さん作成.

GEOというビデオレンタル店で旧作一本50円キャンペーンなので、限度20本を借りてきて消化中。毎日げっぷが出るほど見てますが、玉石混淆。
「壊滅大津波」というのは、原題が「KILLER WAVE」というもの。
キラーなら殺し屋。蜂だのアナコンダだの、細菌だの、パニックものの一分野であるウイルスや凶暴動物などの生物系もあれば、火山、ハリケーン、竜巻、異常気象などのほか天体衝突などなど地学系。今回はついに津波かあ。

最初TIDE WAVEといっていたのが、途中からTSUNAMIという語を使うようになっている。
実は人工的な津波で、これには巨大資本の陰謀が・・・
津波の描き方がどうなっているのか
最初に出たのはハリケーンの被災地のような映像。
やっぱアメリカだから。
でも最後に出てきた堤防を越える津波の映像は、想像であっても今回の東日本の映像と酷似。
これまであまりにも描きつくされてきたパニック映画の津波ですが、現実のものにはかなわない。
物語が、その場面でぶつりと切れて終わるのが、なんとも・・・

FEMAを主役にした作品では「ボルケーノ」のトミー・リー・ジョーンズがよかったですが、
ああいう頼れるお父さんが、いま日本に欲しい。
それにしても、地下鉄の乗客を救いに出動したレスキュー部員の一人が、燃え盛る溶岩を、
瀕死の乗客を抱き上げながら、火の手のあがった線路の向こう側から、諦めて自分だけ逃げろと叫ぶのに抗して決然と歩き出すシーンは凄まじかった。何より彼が、口に「天使祝詞」を唱えながら・・・
カトリックの習慣で最も美しいと感じられる女性的な祈りであると、ながく私は思っておりましたが、
それは毎週日曜ミサのあとで、わたしの小さな町の原町カトリック教会の婦人方が、礼拝の余韻に浸りたいようにして、自主的に唱和していた祈祷でした。
それが最も男性的な状況で、筋肉の権化のごとき男性が、自己犠牲のビへイビアに自分のすべてを押し込めるようにして口辺に唱えるという凄絶な場面でしたから、一種の驚愕でした。
繊細で女性的な、ご婦人ごのみの薄いベールのような祈りではなく、これほど力強い祈祷があるのかと・・・あの場面だけでも儲けもんだった。
「10・5」という作品は北米大陸も西海岸が巨大地震に襲われるという筋で、いわゆるパニックもの。FEMAが主役になるのは当然ですが、こちらのお父さんはちょっと頼りないけど最後は特攻隊になってしまう。
最後は核兵器6発で、エネルギーを逃がして・・・・という、例によって核兵器万能万歳のアメリカらしい筋になっていて、これはうんざりでした。
それにしても、大惨事を売り物の見世物にするアメリカ映画っつうのは。それを楽しむ日本人つうのも。まあわたしもその代表なんですが・・・

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