世界の破滅のイメージ

 小学3年の夏休み。学校図書館の本が、個別に通学区に貸し出され、我が家が保管担当になったので、風通しのよい部屋の畳の上にねそべって日がな読書に熱中したのがきっかけだった。最初に心を魅了されたのが「宇宙戦争」。19世紀英国に、宇宙からの侵略者がやってくる、手に汗握るサスペンスであり、冒険物。神秘と勇気と醜悪と科学が入り混じった空想の世界に招待された。
 今年になって、ずっとDVD映画を借りてきて、宇宙戦争ものばかり見てました。古典的な火星人襲来もの。あのタコ型火星人を描いたH・G・ウエルズ原作のものは何度も映画化され、最近ではスピルバーグもリメイクがヒットし、地上波で放送されました。英国の国情というか、ウエルズらしき主人公が火星人から逃れてゆく途中で一緒になった副牧師という人物像が、聖職者でありながら悲観的で無能な人間として描かれており、ウエルズがキリスト教会に対してどのように評価しているのかが分かる。エピゴーネンがたくさん出現し、蟹型だの、クモ型だの、時代設定だけ換骨奪胎したものなど、バリエーションを追いかけた。
  最近では、松本清張の「神と野獣たち」というSFを読んだ。地球の裏側の某国から核弾頭ミサイルが誤射されて、日本に飛んでくるという状況が発生し、世界の破滅を直前に、パニックになるという架空小説。また石川達三の「最後の共和国」というSFを読んだ、これってロボットが人間に反乱するというSFで、どっちも大衆的作家の珍しい作品です。ところが慣れないせいか、現実のほうが、はるかに面白い。彼らにこそ、現代 のテレビを見せてあげたい。
 事実は小説よりも奇なり、だ。
 清張は悪女の小説で出す味がなく、石川は鉄腕アトムに数段劣る。慣れないことは、すべきではないな。