昨年は精力的で元気そうな大杉漣さんの突然死に始まり西城秀樹さんの血栓による脳梗塞死など血管由来の同世代の有名人の若すぎる逝去に驚き、同輩の自分も新築なった大原病院で心臓カテーテル検査と手術を経験した。
明けて一月、救急車で搬送されて県立医大病院の救命救急センターで緊急のあらゆる精密検査のうえ深夜に心臓医が召集されて直ちに手術となった。4時間にわたる術中、造影剤で鮮明な透視実況動画を見ながら技術的な模索検討しつつ細い狭窄血管に必要なバルーンやステント等といった医療部品の準備を命ずる指示と看護師の対応する声で進行状況が感知された。
すでに同じ術式を大原病院でも体験していたので、一言半句の短い指示をなぞって、どのあたりまで進んだかを聴きながら、幸運の連鎖によって生命が繋がったことに感謝しながらも、といとうこの日が来たのかという、観念と諦観の湯舟の中に穏やかな気持ちで顔まで浸かっているような気分であった。
大原の主治医佐藤医師から、次の診察は六月頃に、残ったあと二本の血管の狭窄部分の血栓状態を検査し必要があれば手術するとのスケジュールを年末に聞いていたから、今回搬送された医大の心臓医も、同じ状況を実見しながら、その部分を処置しているのだろうと感得できた。
しかし思いのほか石灰化した血管の処置が困難で、微細な心臓周辺の心血管の内側までこびりついて永年の僕の脂っこい食生活でコレステロールをためこみ、10年間の透析治療の副作用で進行してしまった石灰化で、命の原動力の心臓に過大な負担をかけてきた結果が悲鳴をあげた結果が、こうして突然のように今日この時に到来したのだ。
あとは俎板の上に乗った肉塊になって、外界を批評したがる精神の性格をなだめて、じっとして待つのみ。
こうしておちついてみると、15年ぶりに入院した医大病院は、この新築の救命救急センターの中身は、じつに面白い構造の建築物だった。