2011年11月8日 ·

毎朝4時半ごろにおきちゃうので、時間がもったいないから書庫代わりの二階の秘密の部屋で紙ごみを仕分けしてると、黒猫くうちゃんがやってきて、目の前であのときの猫族特有のスタイルで、琥珀色の芳醇な香織の液体を、ぼくの宝物のいっぱい入ったダンボールにまたがって、ごく自然に注ぎ始めた。「ああ!」なんてことを。そうか、きょうは立冬だもんな。いつもの外の木下じゃなくて、あったかい家の中で用事を済ませたいもんな。でもこの強烈な香りじゃ、もう保存できっこないし。かくしてリオのカーニバルに行ったときに買いだめしてきた写真集を、処分せざるをえなくなってしもうた。そうさな、美しいと見える人体も糞尿の袋に過ぎぬ。君の、その宝石のような肉体も、やわらかくあったかい毛皮も、肉球も、うたかたの存在。君のおかげで、30年間ためこんだ紙資料を、ようやく棄てる決心がついたよ。津波で家全部を持ってゆかれてしまった人たちのことを思えば….