興味深い浮遊霊 親友からの手紙

二上 英朗様
沢渡温泉病院。温泉街にリハビリ専門の場所があり、しかも病院内にお風呂がとプールまである。
理学療法士が48人、作業療法士が38人、言語障害療法士が3人と聞いただけでわくわくし、脳梗塞がたちどころにすっとんでしまいそうな錯覚を起こしそうです。予約が3ケ月前まであるということからも人気の程が伺います。

私の場合は相部屋でも個室でもどちらでも良いからとお願いしたら3ケ月以上待つことに成りますと言われ、それでもよいからと予約したところ3週間待って個室が空いたからとの連絡があり、入院しました。しばらくして3階の脳梗塞患者の病室を散歩がてら覗いてみるとある部屋には4人、ある部屋に6人他の部屋には5人、2人、�人とさまざまでした。2人と�人の部屋の患者は大分長くいる様で精神病患者だろうと思います。兎に角夜中に決まって車椅子を上手に操って自分の荷物を全部廊下
に引っ張り出します。その時に発する声は途方もなく大きく「ダブダブダー、と夜明けまで繰り返へしま
す。眠れたものではありません。もう一人はこれも御爺さんで車椅子を走らして何だか分からないことを云っては馬鹿‐、馬鹿ーと云います。この人が黙るまでほおっておくようです。

風呂といってもたいした大きさもなく、私の場合は理学療法士が一緒に入浴して確認を取担当医に報告して初めて許可がおりました。一人で入れる人は夕食後の7時前後の時間帯に決まった顔ぶれが5,6人わいわいします。�人での入浴はなるべくしないように看護師から言われています。或る晩いつも人を笑わすデブが私とすれ違いに真っ青な顔をして挨拶もせずとびだして行きました。私は何も悟らず何であわてているのだろうとは思いましたが、�人になったけれども重い足を引きずりながら洗い場に行き
私の側には3ツの蛇口、反対側に3ツの蛇口があるのですが、反対側で蛇口を開けて桶に水を入れている音がするので知らない内に誰かが入って来たのかと気にも留めませんでした。規則ですから体を綺麗に洗い流して湯船に入ってその蛇口を見ると誰もいません。横の大きな曇ったガラス窓に人のような影がこちらをじーっと見ていました。私の悪い方の右足が固くなって湯に浮かぶのを感じました。
あわてず、ゆっくりと、脱衣所に出ることが出来ました。

翌日の晩長ーい廊下を渡って風呂に行くと女風呂も男風呂もいつも2人居る管理人の伯母さんもいませんでしたので私もさっさと部屋に戻ると8時で家内から電話があり風呂に入って来たのかと聴かれたこともない質問には戸惑いました。少し口ごもったので変だなーと感じたそうです。以前にも人が居ないのに脱衣籠にきものが一杯になっていたのを数回みました。無念の内に昇天して浮遊霊となって風呂につかっているのかも知れません。

そのような事は口外されることなく処理されてはいるようですが、私が退院する前後60人くらいは退院したようです。病院の隣には老人介護施設がありうまくいっているようです。