IMG_1430関東大震災の第一報を、当時の最新鋭の長波無線でハワイとカリフォルニアへ打電し、首都圏被災者救援の端緒となった90年前の活躍を「原町無線塔物語」(ふくしま文庫)に書いたのは大学四年生の時だった。地方の名物が、首都圏を救った。3・11災害からの復興の今こそ、このエピソードが必要だと思い、40年ぶりの企画展示が実現した。

30年前に老朽化で撤去されたものの、201mもの高さの白亜の塔は南相馬市民のシンボルとして共有の郷愁の光景が、いまも心の中に生きている。

13日あぶくま抄で無線塔の逸話を見た読者も思い出を投稿した。来月21日まで開催中の同市博物館の原町無線塔企画展には多くの見学者が来訪し、親が子に町と家族の思い出を語って聞かす場面を見かける。

震災で悲劇はあったが、これを乗り越える人間の努力と健闘は、われらを振る立たせ希望を与える。

復興の現代にこそ語り続ける歴史伝承が必要だと痛感している。